Sunday, December 17, 2006

サントリー「ダルマ」好調 ウイスキー事業、07年にプラスも
サントリーが今年3月に発売した「ザ・サントリーオールドウイスキー」が好調だ。“ダルマ”の愛称で親しまれてきた「オールド」を7年ぶりに全面リニューアルして売り出し、11月まで前年同期比10%増の伸びが続いている。ダルマ効果で、年々減少してきたサントリーのウイスキー販売量も、2006年はマイナス幅が大きく縮小し、07年には9年ぶりのプラスもみえてきた。  1950年に発売された「オールド」は、丸みを帯びた黒いボトルから“ダルマ”と呼ばれ、国産ウイスキーを代表するブランドになった。3月のリニューアルでは、中身とラベルのデザインを刷新し、印象を強めるため、商品名に「ザ」の定冠詞を付けた。  味も、「オールド世代」ともいえる団塊の世代を強く意識。シェリー樽(たる)で熟成したモルト原酒の比率を上げるなどして、まろやかさを高めた。テレビCMにも、団塊の世代の歌手、井上陽水さん(58)を起用。販売店の店頭に特別専用棚を作るなどの積極的なプロモーションも奏功し、好調な販売が続いている。かつてオールドを愛飲していた“卒業生”たちに戻ってきてもらおうというのが、サントリーの戦略だ。  ≪こだわり派貢献≫  国産ウイスキー市場は、健康志向に伴う高アルコール飲料離れのほか、かつての日本酒の地酒ブームや成長が続く焼酎に押されて年々縮小。05年には6万9000キロリットルと、83年のピークの4分の1にまで減った。  特に、オールドは、ボトルを店にキープして飲むスナックやパブの衰退が響き、80年の1240万ケース(1ケース=12本入り)をピークに、05年には50万ケースにまで激減していた。  ただ、最近は蒸留所の個性を楽しむこだわりの「シングルモルト」が、輸入物を中心にブームとなるなどウイスキー復活の兆しも出ており、国産の減少にも歯止めがかかりつつある。  サントリーでも、今年1月に「プレミアム営業部」を設置。シングルモルトの「響」と「山崎」の販売を強化。いずれも6月までの上半期で前年同期比20%増と好調だ。同社のウイスキー事業は、ここ数年4、5%のマイナスだったが、オールド効果もあり、06年は2%程度のマイナスにとどまる見込み。  団塊の世代の大量退職が始まる07年は、ウイスキー回帰への期待も大きい。サントリーではオールドを「人生をともに歩む旧友」と位置付け、年4回の大キャンペーンを行うなど積極的に売り込んでいく考え。07年は、ウイスキーが“ダルマ”のように力強く起き上がる年になりそうだ。                     ◇  ■父親世代に「あこがれ」贈る  □リニューアルを担当した洋酒事業部・高田めぐみさん  3月にリニューアルされた「オールド」は、団塊の世代の60歳の父親を持つ、洋酒事業部の高田めぐみさん(27)が中心になって開発した。  「入社後に上司に連れられ、ウイスキーを初めて飲んだ」という高田さん。2004年に洋酒事業部に配属となり、商品開発に携わり、一般消費者を対象とした試飲やグループインタビューなどを担当した。  このインタビューのなかで、「オールドに似ていてなつかしい味がする」という団塊の世代の声が多く聞かれたことが、全面刷新のきっかけになった。  しかし、入社5年目の高田さんは、「オールド」のことをほとんど知らなかった。困って母親に尋ねると、こんな思い出話を聞かされた。  「昔、お父さんが会社を辞めて、私が働いて生活費をやりくりしていたころ、ボーナスのときに、これまで頼みごとなんてしなかったお父さんに、『オールドを買ってくれないか』と頼まれたことがある」  高田さんは、「団塊の世代にとって、オールドは『いつかは飲みたいあこがれのお酒』。思い出としても深く心に刻み込まれている」と実感し、オールド復活の手応えを感じた。高田さんは、真っ先に父親にプレゼントし、今ではオールドを両親と楽しんでいるという。

フジサンケイビジネスアイより
 だるま、なんか懐かしいんだけど。お父さんがよく飲んでたもの。

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