Tuesday, July 25, 2006

ドミノ肝移植患者、6年半で難病発症…想定は20年後
 玉突き式に移植を行う生体ドミノ肝移植を1999年に受けた患者が、移植した肝臓に原因のある神経障害の難病を6年半後に発症していたことがわかった。
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 熊本大の医療チームが国内で初めて確認した。
 これまで実施されたドミノ肝移植ではすべて、同じ難病の患者の肝臓が利用されてきたが、20年程度とみられていた予想よりかなり早い発症だった。
 移植後の生存率を高めるため、過去の患者の追跡調査を徹底し、どのような患者を対象にすべきか、指針の策定が求められそうだ。
 熊本大大学院の安東由喜雄教授によると、患者は50代の女性。肝硬変のため1999年7月、国内で初めて、ドミノ肝移植を京都大病院で受けた。
 肝臓は「家族性アミロイド・ポリニューロパチー」(FAP)という神経障害の病気を持つ人が提供した。
 今年2月、この女性の足先の温度感覚がなくなり、熊本大は、FAPの初期症状と診断した。移植による発症は、英国で昨年報告された移植後8年目での例など世界でも過去数例しかなかった。
 信州大病院でも、ドミノ肝移植を受けた患者2人について、この難病の兆候をともに移植後3年11か月で確認したという。
 この難病は、肝臓で作られる異常なたんぱく質が体内に沈着し、神経障害などを起こす遺伝性の病気で、死に至る場合もあるので、神経障害が進行すると肝移植が必要となる。
 ドミノ肝移植は、肝移植を受けたFAP患者から摘出された肝臓を処分せず、別の肝臓病患者に移植する治療法。FAP患者の肝臓は、アルコール分解などの機能は正常なので、余命1年以内に迫った肝臓がん患者などが、脳死移植や血縁者からの臓器提供を受けられる見通しが立たない場合に、緊急避難的に行われてきた。国内では99年から28例、世界では過去500例以上行われている。
 FAPの異常たんぱくの沈着には時間がかかり、先天的な患者も20、30代で発症するケースが多いことから、「ドミノ移植後も20年は発症しない」と考えられてきた。
 当時、京大で移植を担当した田中紘一・日本移植学会理事長は、「これだけ早期の発症は予想外。過去にドミノ肝移植を受けた全患者のデータを集約し、関連学会でも指針の策定を検討していく必要がある。移植前の患者に早期発症の可能性があることを伝えることも重要だ」と話している。

YOMIURIより

 こういうのは、現になってみないとわからないからねぇ。予測だけじゃかたれないのよね。

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