Wednesday, November 28, 2007

覚えておきたい、ニセ科学リスト16
「予備知識のない状態でニセ科学を見分けるのは難しい」という指摘があったので、予め警戒しておくべきニセ科学をリストアップしてみる。
量が多くて一度には書ききれないので順次追加。説明だけでなく項目自体増やしていくので、抜けを思い付いた方、間違いを見付けた方は御一報頂ければ幸甚。
医学系
医学は勿論科学を元に発達した学問だが、多分に経験的である(=効く理由は判らないが効くことは実証されるような状態)ために似非理論が排除し難いのか、或いは患者への説明が不足する傾向にあるため誤解されるのか、とかくニセ医療がはびこり易い。
ホメオパシー
「病と同じ症状を呈する毒を薄めて薬とする」のだが、希釈度合いを計算してみると最終的に服用する中に元の薬効成分が1分子たりとも含まれていないことになる。何故か希釈すればするほど効果が強くなるらしい。
服用したって無害だ(その代わり薬効もない)が、ホメオパシー信者は往々にして通常の医療措置を否定する点で非常に有害。
予防接種有害論
予防接種のリスク(過去に発生した製造時のミスによる事故や、病原を体に入れるという性質からどうしても避けられない、ごく稀な発病)ばかりを強調し、接種による恩恵を無視する。
また「自然に罹患させないと生涯免疫が続かない」などとして病に罹ることを望む。
予防接種の効果は接種した人間だけの問題ではなく「地域ぐるみで病原が繁殖できなくなることで全体として罹患率が低減する」ことにあることをお忘れなく。わざと罹患するというのは、周囲の感染率を高める危険行為である。
千島学説
「血を造るのは骨髄ではなく小腸である」「細胞は分裂増殖しない。すべての細部は赤血球から変化する」「病源体は特定条件下で自然発生する」など、現代医学を根底から覆すような複数の説の集合。
骨髄移植により造血障害を治療できることや小腸の切除によって造血障害が生じないこと、細胞分裂が観察された事実であることなどから否定できる。そもそも提唱から50年近く経過しても一向に証明されないこと自体、説として欠陥があるのではないかと考えるのが普通ではないかと。
経皮毒
皮膚から毒性物質が吸収されて内蔵に蓄積するという説。経皮吸収される物質があること自体は否定しないが、主に「シャンプーには毒が含まれているので、出産時に子宮からシャンプーの匂いがする」などという脅迫めいた説明とともに「安全なシャンプー」を売り付けるためのデマ。
仮に経皮吸収される毒が入っているなら、まず最初に頭皮付近から症状が現れるはずで、内蔵中最も遠い子宮に強く影響する筈がない。
デトックス
「フットバスに足を漬ける」「足の裏にシートを貼る」「デトックス効果のあるものを飲んで排泄する」などの手法で体内毒を排出するという主張。
排泄はそもそも体内の不要成分を廃棄するためのものなので確かに(毒かどうかはともかく)排出されてはいるのだが、足からの排出については単なる化学反応で変色しているだけで毒は吸い出されない。
白金ナノコロイド
血液サラサラ
大元となった研究自体は真面目なものだが、単純に「サラサラなら健康/ドロドロなら不健康」などと言えるようなものではないことに注意。サラサラ/ドロドロは血小板や血球の量などによって変化するが、いずれも必要成分であり少ないのも正常でない。
また検査と称して顕微鏡映像を見せる際、カヴァーガラスへの加圧具合によって血球の重なり具合を調整できるため、「重なりの多い状態を見せる→何らかの健康器具を使わせる→重なりの少ない状態を見せる」という手法で器具に効果があるように見せかける詐欺が横行して問題になった。
ゲルマニウム
「37℃付近でゲルマニウムから電子が放出されて云々」というので、ローラで肌をなでているだけで張りが出るとかなんとか言われているがまったくのデマである。
常温程度で電子が放出されるような金属なら、お手元に届く前に完全に電子を失ってしまうだろうし、電子を受け取った肌がすべすべになる理由もない。
安保免疫学
ミラクルエンザイム
科学系
そもそも科学ではないものたちだから「科学系」というのも妙な分類だが、まあ「自らを科学だと名乗っている」ものの集合体、程度で。
水からの伝言
「水に"ありがとう"と書いた紙を見せると綺麗な結晶が、"ばかやろう"だと汚い結晶ができる」という宗教的説話。単に思い通りでない結果が出た時は失敗として処理してるからそう見えるだけ。
逆説的に、水に良いことか悪いことかの判断を委ねるという思考停止
マイナスイオン
そもそも言葉としての実体がない。負の電荷を持つイオンは陰イオン、あるいはアニオン。
仮に陰イオンのことだとしても、体に良いなどとする根拠が科学的に立証されたことはない。
最近はメーカもニセ科学呼ばわりを警戒しているのか、マイナスの部分を適当に言い替えていることが多い(例:nanoeイオン)。
トルマリン
トルマリン自体は何らニセではない。和名を電気石という歴とした鉱物である。
本来は圧電効果を持つが故にこの名があるのだが、どういうわけかマイナスイオンを発生させたり電磁波を防ぐ効果があることにされてしまった。そういう効果を謳ったものとしてはニセ。
機能水
水に関わる商売は幅広いために全てがニセとは限らないのだが、水に含まれる成分の作用によるものはともかく、活性水・還元水など「水の改質による機能」を謳ったものは概ねニセと断じて良い。
(参考:水商売ウォッチング)
ランドリーリング
「洗剤なしに洗濯できる」とするが、ブラシ代わりの物体を放り込んであれば揉み洗い効果はあるだろう、という程度の差。説明を見ると封入された「組織水」とやらが外部の水を改質するような記述がある。前述の機能水の系列。
燃費改善
自動車の燃費改善グッズには怪しいものが山ほどある。エアロパーツで空気抵抗を下げるとかエンジンオイルを変えて摩擦抵抗を少なくするといった類いならばともかく、「セラミックで燃費改善」「イオンで燃費改善」など、要するに各種ニセ科学のキーワードを適当に拾ったような商品が非常に多い。
オーディオ
オーディオの世界はほとんどオカルトで構成されているのではないかと思うほど怪しげ。あまりにも(理論上)音質に影響を与える要素が多過ぎて何を改善すればいいのかプロも判っていないというのが実情だ。
機材のレビューでも二重盲検法はおろか一重ですら行なっておらず、単に価格順に評価が決まっていたりする。
オーディオ装置そのものはニセ科学ではないが、評価基準を含めたマニア世界はオカルトと断じても良かろう。
永久機関
外部からエネルギーを供給せずに動き続ける機械。明らかに物理法則に反するもので、絶対に実現できない。
もっとも、仮に実現したとしても部品同士の摩擦などによるロスをなくすことはできないからいずれ停止するし、それすら解消したとしてもエネルギーを100%装置内で循環させ続けるだけだから、一切の動力を取り出せず意味のないオブジェとなるだけなのだが。
相対性理論は間違ってる
相対性理論は現代科学の基礎を成す重要な理論である。これが間違っているとしたら現在の生活の殆どが成り立たないと言っても過言ではないほどの。
相対性理論を否定する全ての説は、単に相対性理論が理解できなかった奴の戯言であると断言できる。
血液型と性格の相関
血液型による性格診断(A型は几帳面、B型はおおらか、などの)は日本では非常に知名度が高いが、実際に有意差が確認されたことはない。
占いを含め、こうした「内面を言い当てる」ものは往々にして相反する情報を一つにまとめて、どれを見ても少なからず自分のことを言い当てられているように思わせるものである。(参考:バーナム効果)
ID論
インテリジェント・デザイナー、つまり「神のような何者かが人間を/地球を/宇宙をこのように形作った」説。
一見科学を装ってはいるが、実のところ「進化論が学校で教えられるのに創造論(神が7日で世界を作ったというアレ)が教えられないのは不満だ」という連中が「これも科学だから教えろ」と主張する為に作ったまったくのニセモノ。
これを揶揄するために作られた「空飛ぶスパゲティ・モンスター教」というパロディ宗教もある。
フリーエネルギー
量子力学的には、「真空」とは無の空間ではなく、電子と陽電子が生成・対消滅を繰り返しているとされる。ここで放出されるのが「フリーエネルギー」だが、これが(どんな手段によってか知らないが)取り出して利用できると主張する輩がいる。実際に取り出して見せた奴はいないが。
七田式右脳開発トレーニング
幼児教育のひとつだが、パターン学習による反射的な能力開発を特徴とするようだ。天才を生むかのような印象付け、あるいは「右脳の能力を引き出す」というのが親心に響くらしいが、説明を見ると波動だのESP教育だのとトンデモなく怪しい。
ドーマン法
脳障害による無反応状態からの回復例(?)で有名になったリハビリ法。手足を強制的に動かして動作パターンを脳に刷り込む学習法などが特徴。
保護者は「反応が甦った」などと言うが、実際のところ親が動かすままに動いているだけではないかとの指摘もある。
(参考:google:奇跡の詩人)
陰謀系
「~~はxxの陰謀だ」という説全般。これ自体は科学の範疇ではないのでいちいちニセ科学として扱うべきものでもない筈だが、実際のところ主張の裏付け部分で科学的に間違ったものが多い。
アポロ陰謀論
9.11陰謀論
ユダヤ陰謀論
フリーメイソン
イルミナティ
13人委員会
歴史・考古系
歴史は基本的に一回性のものであるから科学のように再現性を基とした実証が困難であり、また往々にして資料に乏しいため真贋の判別は容易でない。たった50年前のことですら合意がないというのはよくあることである(例:南京大虐殺)。
従ってここでは基本的に歴史学に属するニセ情報の検証は行なわないが、中には科学的検証部分でニセ情報が紛れている例があるので、何点か紹介する。
与那国海底遺跡
直線的な道路や階段などが見出されたために遺跡として取り上げられたが、実際には節理という現象による自然地形。
本当に遺跡なら、階段の幅・高さがばらばらだったり1段あたり1mもあったりしないし、頂上の平面が16度も傾いていたりしない。
神々の指紋
オーガニック系
オーガニック、有機農法自体は真っ当である……筈だが、どういうわけか自然崇拝と結び付き易くしばしばニセ科学要素が入り込む。
ビオディナミ
天体の位置と自然環境に関連性を見出し、農作業を天体の運行に従って行なう農法。
太陽=地球の位置関係は確かに自然環境に影響する(要するに四季)が、それ以外の天体の影響まで考慮する点でまったくのニセ科学。
マクロビオティック
菜食主義に陰陽思想を取り入れたような食養主義。
発生当時としては先進的な部分もあったり、食事療法的効果もあるのだが、如何せん理論はおろか経験的判断による主張でもなく、多分に思想的な判断から発生しているので受け入れには注意が必要。
精神世界
もはや一片たりとも科学的でないのでわざわざ書くこともなさそうな気がするのだが、彼らは自分たちの信ずる何かが「今は証明されていないが、いずれ科学で裏付けられるであろう」と信じているようで、用語にちょっと科学っぽいタームを流用する傾向にある。
波動
科学用語としての波動は単なる波の振動を示すものだが、精神用語では「主に精神へ作用する何か」を示すようだ。
高次元
どうも精神系の人は次元をスピリチュアルな別世界と勘違いしているようで、悟りを開いた聖人は高い次元へ移行するのだと思っているらしい。宗派によって10次元まであったり20次元以上あったりするが、増えたベクトルがもたらす変化についての考察はついぞ口に上らない。

newsingより
 なんか、こんなこと言われちゃうと、今まで信じていたのにぃ。

No comments: